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シロイヌナズナArabidopsis thalianaでみられる標的遺伝子配列の逆位重複によるマイクロRNA遺伝子の進化

Nature Genetics 36, 12 doi: 10.1038/ng1478

植物や動物のマイクロRNA(miRNA)は、標的遺伝子の転写後調節因子として機能しており、その多くは多細胞生物の発生に関与している。miRNAは塩基対の相補性から、エフェクター複合体を標的mRNAへと誘導し、部位特異的な切断もしくは翻訳抑制を促進する。miRNAの生合成は、長い折り返し構造をもつmiRNA前駆体転写物の核酸分解プロセシングを必要とする。本論文では、植物のmiRNAをコードしている遺伝子が標的遺伝子配列の逆位重複によりつくり出された証拠を示す。いくつかの最近進化したシロイヌナズナArabidopsis thalianaのmiRNAをコードする遺伝子やその他の低分子RNAを生成する遺伝子座は、それぞれの折り返し構造前駆体の両端に腕部を形成する逆位重複が起きた顕著な特徴を示す。我々は、他に類をみない標的特異性をもつmiRNA遺伝子のde novo(新規)合成の機構を示唆する、miRNA遺伝子の進化に対するモデルを提示する。

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