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複雑な疾患に対する遺伝的影響の「人種」差

Nature Genetics 36, 12 doi: 10.1038/ng1474

「人種」間の違いはしばしば、臨床的研究、疫学的研究、分子レベルの研究などの場面で議論される。とりわけ、多数の遺伝子の影響下にある複雑な疾患に対する遺伝的影響について、「人種」差の存在とその重要性に関して大きな論争がある。重大な論点は、「人種」の違いが、各遺伝子の変異が疾患リスクに及ぼす影響を左右するかどうかである。本論文では、解析対象である697例の各種「人種」集団のうち、遺伝子と疾患の関連性の明らかな43例の遺伝的影響について解析し、この問題の解決を試みた。対照集団における特定の遺伝子マーカー頻度は、「人種」間で大きな差(統計的なばらつき)を示すことが多かった(58%)。逆に、遺伝的影響(オッズ比)においては、「人種」間で大きな違いが見られたのは全43例の14%にすぎなかった。したがって、遺伝子と疾患の関連性が考えられる遺伝子マーカーは集団全体を通して頻度に差があるが、一般的な疾患のリスクに対する生物学的影響は通常、従来の「人種」の境界を超えて不変である可能性がある。

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