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4万4000基の電波望遠鏡アレイ

Nature ダイジェスト Vol. 9 No. 5 | doi : 10.1038/ndigest.2012.120506a

ETも探す大型電波望遠鏡が完成する

4万4000基を超える無線受信アンテナが、近々インターネットを介してつながり、これまでで最も大掛かりな電波望遠鏡が構築されることになる。その使命は、これまでほとんど未探索だった無線周波数を調べ、宇宙で最初に生まれた恒星や銀河を探すこと、そして、もし存在するなら地球外生命体の信号を探し出すことだ。

このアンテナアレイは、低周波の電波を検出するように設計されている。重要な発生源の1つは、いわゆる「宇宙の暗黒時代」に宇宙の大半を占めていた冷たい水素ガスからの非常に弱い信号だ。後に最初の星々が誕生して輝き始めたとき、この水素にその痕跡を残したと考えられ、このガスからの電波信号が時とともにどう変わったかを解析すると、最初の銀河がどのように生まれたのかについて、さまざまなことがわかってくる。

この低周波干渉計LOFARは、オランダとドイツ、フランス、スウェーデン、英国の48か所の基地局にある多数のアンテナで構成され、それらすべてが光ファイバーケーブルで接続される。これら基地局からの信号を1台のスーパーコンピューターが組み合わせ、これまでで最も複雑で多用途の電波望遠鏡を作り出す。国際LOFAR望遠鏡の責任者Heino Falckeはそう説明する。

アンテナ群の建設は今年半ばまでに終わる予定で、北天全体を45日で調べる能力を備える。全体で口径1000kmの望遠鏡に匹敵する解像度を持つことになる。さらに、設計は拡張可能であり、後からいつでも基地局を追加できると、LOFARを運営するオランダの天文学研究組織ASTRON のMichael Wiseは言う。

またLOFARは非常に高速で、わずか50億分の1秒の事象を測定できる。さらに、LOFARは基本的に多数の異なる電波望遠鏡をつなぎ合わせたものであり、例えば3つの異なる科学プロジェクトを同時に実行できるとWiseは言う。要するに、柔軟な運用ができるという利点を持っているのだ。

今後数年間、LOFARは地球外知的生命体探査(SETI)の一環として、過去のSETIミッションでは調べていなかった低い周波数領域で無線信号を探すことになっている。

(翻訳:鐘田和彦)

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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