分解する相手を選ばないオートファジー(自食作用)に対し、特定の細胞小器官や物質を選択的に処理する「選択的オートファジー」があることも分かってきた。ミトコンドリアの選択的オートファジー「マイトファジー」について、分子機構の解明を進めた星野温・京都府立医科大学大学院助教らは、これまで知られていなかった遺伝子がカギを握っていることを突き止め、この遺伝子の変異が筋疾患(ミオパチー)を引き起こすことも見いだした。
筋繊維とミトコンドリアの電子顕微鏡画像。 Credit: SPL-STEVE GSCHMEISSNER/BRAND X PICTURES/GETTY
–– マイトファジーとはどのような現象なのでしょう?
星野: 広義に捉えると、オートファジー(自食作用)の一種といえます。オートファジーは大隅良典博士のノーベル賞受賞で広く知られるようになりましたが、最近になり、小胞体や核などの特定の細胞小器官だけを選択的に分解・消化する仕組みもあると分かってきました。こちらは「選択的オートファジー」と呼ばれています。
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Nature ダイジェスト Vol. 17 No. 3
DOI: 10.1038/ndigest.2020.200326