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圧力で誘起される化学反応

Nature ダイジェスト Vol. 15 No. 5 | doi : 10.1038/ndigest.2018.180533

原文:Nature (2018-02-22) | doi: 10.1038/d41586-018-02047-5 | Molecules pressured to react

Stuart L. James

圧縮すると酸化還元反応を起こす分子が作製され、数々の実験と第一原理計算から、機械的な力で誘起される反応機構に関して待ち望まれていた原子レベルの知見が得られた。

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powerofforever/iStock / Getty Images Plus/Getty

化学反応の誘起には、ごく一般的な熱から、電気や光、超音波まで、さまざまな種類のエネルギーが用いられている。しかし、「メカノケミストリー」として知られる機械的な力による化学反応の誘起については、これまであまり研究が進んでいなかった。メカノケミストリーの例には、反応物質を混ぜてすりつぶしたり、固体に圧力をかけたりすることによる結合の活性化がある。こうした反応の機構は、最近になってようやく集中的に研究されるようになったが、原子レベルでの理解はまだ不十分だった。今回、スタンフォード大学(米国カリフォルニア州)およびSLAC国立加速器研究所(同メンロパーク)のHao Yanらは、機械的に性質の異なる成分からなる分子の結晶で、圧縮により酸化還元反応が誘起されることを実証し、Nature 2018年2月22日号505ページに報告した1。実験と計算から導き出されたメカノケミストリーの反応機構に関する原子レベルでの手掛かりは、まさに化学者たちが長く待ち望んできた知見である。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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