Research press release

環境:長い距離を移動するマイクロプラスチック

Nature Communications

Environment: Long-distance movement of microplastics

フランス南部で検出されたマイクロプラスチックについて、発生源から大陸や海洋を越えて4500キロメートル以上輸送されてきたものである可能性を示唆する論文が、Nature Communications に掲載される。今回の研究によって得られた知見は、マイクロプラスチック汚染が発生源から遠く離れた地域へと世界中に広がる可能性があることを示唆している。

プラスチック汚染は、高地や高緯度域を始め、プラスチックがほとんど使用されていない地域においても報告されている。大気中のマイクロプラスチックの輸送が地域規模で起こっているとする学説が提起されているが、この現象が、どの程度広がっているのか、マイクロプラスチックも水銀や他の汚染物質のように、制約を受けずに大気中を輸送され、大陸横断も可能になっているのかどうかは分かっていない。

今回、Steve Allenたちの研究チームは、フランス南部のフランス領ピレネーの高地にあるピクデュミディ天文台で、マイクロプラスチック粒子の発生源と経路と考えられるものを理解するため、大気中のマイクロプラスチックを収集し、大気輸送モデル化を行った。その結果、マイクロプラスチック粒子を含んだ複数の気団が、ピクデュミディ天文台に到達する前の1週間に平均約4550キロメートル移動したことが判明し、主に西方から大西洋を越えて到達し、南方から地中海を超えて到達したと推定された。Allenたちは、マイクロプラスチックの発生源として、北米、西ヨーロッパ、北アフリカが考えられるとし、これは、自由対流圏(雲の上の大気層)で大陸や海洋を横断するマイクロプラスチックの輸送が起こっていることを示している。

以上の知見は、プラスチックがほとんど使用されていない地域が、遠くに位置するマイクロプラスチック発生源の地域の影響を受ける可能性があることを示唆している。

Microplastics, detected in southern France, could have been transported over 4,500 km from their source, including over continents and oceans, suggests a study published in Nature Communications. The findings suggest that microplastic pollution can spread globally from its sources to remote regions.

Plastic pollution has been documented at high elevations and latitudes, and in regions with little local plastic use. The transportation of microplastics through the atmosphere has been suggested as occurring on regional scales. However, it is unclear how widespread this phenomenon is and, if like mercury and other pollutants, there is free transport of microplastics through the atmosphere that enables trans-continental movement.

Steve Allen and colleagues collected atmospheric microplastics at the high-elevation Pic du Midi Observatory in the French Pyrenees, southern France, and used atmospheric transport modelling to understand the potential sources and paths of these particles. Air masses containing microplastic' particles were found to have moved around 4,550 km on average in the week before arriving at the observatory, and were projected to mainly have arrived from the west and south, over the Atlantic Ocean and Mediterranean Sea. The authors suggest that the potential sources of the microplastics may include North America, western Europe and North Africa, indicating trans-continental and trans-oceanic transport through the free troposphere (the layer of atmosphere above the clouds).

The findings suggest that regions with little local plastic usage could be impacted by microplastic source regions located far away.

doi: 10.1038/s41467-021-27454-7

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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