Research press release

【遺伝】カナダのファースト・ネーションの免疫関連遺伝子の進化

Nature Communications

Genetics: Immune evolution in Canadian First Nations

カナダのファースト・ネーション(先住民の一部)の免疫系遺伝子の変化が、1800年代のヨーロッパで流行した感染症の到来に関連している可能性のあることを報告する論文が、今週掲載される。

ファースト・ネーションの人口は、ヨーロッパ人との接触後に減少したが、その大きな要因の1つが感染症であったとする学説が提唱されている。今回、Ripan Malhiの研究グループは、土着コミュニティーの協力を得て、ヨーロッパ人の到来を境にして、古代と現代のファースト・ネーション集団を比較した。Malhiたちは、約1,000~6,000年前のブリティッシュコロンビア州に居住していた25人と現在のブリティッシュコロンビア州に居住している25人のDNAを解析した。また、今回の研究では、ヨーロッパ人との接触があった後に人口が57%減少したことも示唆されている。古代人に有利に働くと考えられた免疫系の遺伝子バリアントの発現頻度は、現代人において低くなっていた。

以上の新知見は、1800年代にヨーロッパから到来して流行した感染症と関連している可能性がある。Malhiたちは、その感染症の有力候補として天然痘を挙げているが、麻疹や結核であった可能性もある。

Changes in the immune system genes of First Nations people in Canada, reported in Nature Communications this week, may be linked to the introduction of European-borne epidemics in the 1800s.

First Nation populations declined after European contact, and it has been suggested that infectious disease was a major factor. Ripan Malhi and colleagues partnered with indigenous communities to compare ancient and modern populations, before and after Europeans arrived. The authors analysed the DNA of 25 individuals who lived in British Columbia around 1,000 to 6,000 years ago and 25 modern individuals from the same region. The results suggest a 57% drop in population size after European contact. Immune system gene variants that appeared to be advantageous in ancient individuals then decreased in frequency in the modern individuals.

These findings may be connected to infectious disease epidemics of the 1800s, introduced from Europe. The authors speculate that smallpox is a likely candidate, although other diseases such as measles or tuberculosis are also possible.

doi: 10.1038/ncomms13175

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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