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ADARを利用するRNAセンサーによるプログラム可能な真核生物タンパク質合成

Nature Biotechnology 41, 5 doi: 10.1038/s41587-022-01534-5

生物系内の特定RNAの存在を検知してそれに反応するプログラム可能な方法は、研究や診断、治療に幅広い用途がある。今回我々は、プログラム可能なRNA検知技術であるRADARS(reprogrammable ADAR sensor)を開発した。これは、ADAR(adenosine deaminase acting on RNA)によるRNA編集を利用し、内因性RNA転写物の存在によって積み荷タンパク質翻訳のゲート制御を行う。積み荷の上流のガイドに終止コドンを導入することで、内因性転写物のガイドへの結合が翻訳の前提条件となり、終止コドンのADAR編集が行われて翻訳の読み過ごしが可能となる。系統的なセンサー作製により、センサーの活性化は277倍に改善された。また、ルシフェラーゼや蛍光タンパク質、リコンビナーゼ、カスパーゼなど、さまざまな積み荷タンパク質を搭載したRADARSを作製し、13 TPM(transcripts per million)という低いレベルで発現する内因性転写物に対する検出感度を可能とした。RADARSは、発現DNAまたは合成mRNAのいずれかとして、外因性ADARまたは内因性ADARのいずれかによって機能することが示された。RADARSは、転写状態の追跡、RNAの検知で誘発される細胞死、細胞タイプの識別、合成mRNAの翻訳の制御など、さまざまな場面に応用された。

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