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迅速な細胞内過程の長時間ライブイメージングのための合理化ディープラーニング超解像顕微鏡法

Nature Biotechnology 41, 3 doi: 10.1038/s41587-022-01471-3

生物学的過程を光学顕微鏡法で画像化するときの目標は、侵襲性を最小限に抑えながら最大限の時空間的情報を得ることである。ディープニューラルネットワークは、画像の超解像や復元などについて光学顕微鏡法を大きく改善したが、アーティファクトの可能性がかなり残されている。本研究では、照明パターンに関する事前の知識を組み込んで未処理画像のノイズを除去するようネットワークを合理的に導くことにより、構造化照明顕微鏡法および格子光シート顕微鏡法(LLSM)のための合理化ディープラーニング(rDL)を開発した。今回、rDL構造化照明顕微鏡法では、スペクトルバイアスによる解像度低下が排除されてモデルの不確実性が5分の1に低下し、超解像情報が他の電算法の10倍以上に向上することが実証された。さらに、rDLをLLSMに用いると、ノイズの多いデータそのものの空間的または時間的連続性を用いることで自己教師あり訓練が可能となり、教師ありの方法と同等の結果が得られた。運動性繊毛の迅速な動態、光感受性有糸分裂中の核小体タンパク質の凝縮、および膜性オルガネラと非膜オルガネラとの長期的相互作用を画像化することにより、rDLの有用性が確認された。

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