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トウモロコシの乾燥耐性と収量関連形質との均衡でトランスポゾン逆向き反復配列が担う役割

Nature Biotechnology 41, 1 doi: 10.1038/s41587-022-01470-4

トウモロコシの環境適応および収量関連形質の選択の背後にあるゲノム基盤は、いまだほとんど解明されていない。本研究では、乾燥条件および湿潤条件下での世界のトウモロコシ多様性パネルの低分子RNA(sRNA)トランスクリプトーム(sRNAome)およびトランスクリプトーム景観に関する全ゲノムプロファイリングを実施し、環境特異的な調節のホットスポットを数十カ所発見した。Drought-Related Environment-specifc Super eQTL Hotspot on chromosome 8 (DRESH8)、およびDRESH8由来の低分子干渉RNAの標的であるZmMYBR38のトランスジェニックおよび分子研究から、植物の乾燥耐性を収量関連形質と均衡させるものとして、転位因子媒介性逆向き反復配列(TE-IR)由来のsRNAおよび遺伝子の調節ネットワークが明らかになった。全ゲノムスキャンの結果、TE-IRはトウモロコシ栽培化の過程で正の選択を受けて広がった乾燥応答および収量関連形質に関連していることが明らかになった。以上の結果から、TE-IRを介した転写後調節が、作物の環境適応と収量関連形質とのトレードオフの背後にある重要な分子機構であることが示され、ストレス耐性が高まった一方で収量への影響がない作物を育種するための潜在的なゲノム標的が得られた。

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