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臨床プロテオミクスデータを解釈するためのナレッジグラフ

Nature Biotechnology 40, 5 doi: 10.1038/s41587-021-01145-6

精密医療の実現は、プロテオミクスなどのオミクスデータを臨床上の意思決定過程に組み込めるかどうかにかかっているが、生物医学データの量と多様性、および臨床的に意味のある知識の各種生物医学系データベースや出版物上での広がりが、データの組み込みの障害となっている。本論文では、現時点において、関連する実験データ、公共データベース、文献を表すほぼ2000万のノードと2億2000万のリレーションシップを含むオープンソース・プラットフォームCKG(Clinical Knowledge Graph)を紹介する。このグラフ構造は、新たなデータベースが利用可能となったときに新規のノードとリレーションシップに容易に拡張可能なフレキシブルなデータモデルをもたらす。CKGは、典型的なプロテオミクスの枠組みの解析と解釈を加速する統計・機械学習アルゴリズムを組み合わせる。一連の概念実証バイオマーカー研究を用いることで、CKGがプロテオミクスデータをいかに強化・濃縮して臨床意思決定の一助となる可能性があるかを明らかにする。

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