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長大なDNA塩基配列のツインプライム編集によるプログラム可能な欠失、置換、組込み、および逆位

Nature Biotechnology 40, 5 doi: 10.1038/s41587-021-01133-w

ゲノム塩基配列の選択的な欠失、置換、組込み、逆位にはヒトの遺伝病の研究や治療への使用が考えられるが、従来の方法では一般に二本鎖DNA切断(DSB)が必要であり、無秩序な挿入欠失の混在や染色体異常などの不都合な結果が生じる。本論文では、DSBによらない方法で、プライムエディタータンパク質と2本のプライム編集ガイドRNA(pegRNA)を用い、内在性のヒトゲノム部位でDNA塩基配列のプログラム可能な置換または切除を行うツインプライム編集(twinPE)を紹介する。2本のpegRNAが鋳型となってゲノムDNAの相対する鎖に相補的DNAのフラップが合成され、プライム編集で誘導されたニック部位の間の内在性DNA塩基配列と入れ替わる。twinPEは、部位特異的セリンリコンビナーゼと組み合わせると、ヒト細胞で遺伝子サイズのDNAプラスミド(> 5000 bp)の選択的組込みと40 kbの選択的配列逆位を可能にした。twinPEは精密ゲノム編集の能力を増強するものであり、他のツールとの併用で、長大または複雑なヒト病原性対立遺伝子の修正や補完を実現する可能性がある。

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