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CLUSTERガイドRNAは内因性ADAR酵素による正確で効率的なin vivo RNA編集を可能にする

Nature Biotechnology 40, 5 doi: 10.1038/s41587-021-01105-0

RNA塩基編集は、ゲノム編集に代わる有望な方法である。最近の方法は、内因性のRNA編集酵素ADAR(adenosine deaminase acting on RNA)を利用して改変型編集酵素の異所的発現による問題を回避しているが、塩基配列の制約、効率の不足、バイスタンダー編集という問題がある。本論文では、標的メッセンジャーRNAに多価結合して高精度で高効率な編集を行い、従来のガイドRNA設計では認識不能であった塩基配列を標的とすることを可能にする、in silicoで最適化されたCLUSTER gRNAを紹介する。CLUSTER gRNAは遺伝子にコードしてウイルスを用いて送達することができ、さまざまな細胞株で働く。CLUSTER gRNAは、培養細胞では最高45%の収率で内因性転写物のオンターゲット編集を行い、バイスタンダー編集が生じなかった。in vivoでは、HTVi(hydrodynamic tail vein injection)法によってCLUSTER gRNAをマウス肝臓に送達したところ、最高10%のレポーター構築物が編集された。CLUSTER法は、RNA塩基編集の分野で医薬品開発への道を切り開くものである。

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