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プライム編集による長いゲノム塩基配列の削除と置換

Nature Biotechnology 40, 2 doi: 10.1038/s41587-021-01026-y

ゲノムの挿入、重複、挿入欠失(インデル)はヒトの病原性変異の約14%を占めるが、特に変化が大きいものの場合[100塩基対(bp)以上]、従来の遺伝子編集法では正しく効率的に修正することができない。今回我々は、ゲノム塩基配列の正確な削除を行うためにプライム編集(PE)ツールを最適化し、外部DNAテンプレートを用いずに1~10キロ塩基(kb)程度のゲノム断片を望ましい塩基配列(最長60 bp)で置換させた。Cas9ヌクレアーゼを逆転写酵素に結合させ(PE-Cas9)、これにDNAの相補的な鎖を標的とする2本のPEガイドRNA(pegRNA)を組み合わせることで、このPE-Cas9に基づく削除修復法(PEDAR)による標的塩基配列の正確で特異的な削除と修復を実現した。PEDARは、レポーター系と内在性座位において他のゲノム編集法よりも優れており、ゲノムの大規模で正確な変化を効率的に導入した。チロシン血症マウスモデルでは、Fah遺伝子内の1.38 kbの病原性の挿入を除去してその切断点を正確に修復し、肝臓のFAH発現を回復させた。

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