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植物の安定的な細胞再プログラム化を行う合成記憶回路

Nature Biotechnology 40, 12 doi: 10.1038/s41587-022-01383-2

植物バイオテクノロジーは、時空間的および条件的な発現パターンをカスタマイズする能力の低い少数の遺伝子要素に大きく依存している。合成遺伝子回路は、生物学的要素から構築された処理ユニットを介して複数のカスタマイズ可能な入力シグナルを統合し、予測可能かつプログラム可能な出力を生成できる可能性を持つ。本論文では、リコンビナーゼに基づく植物用の機能的遺伝子回路群を紹介する。我々はまず、植物細胞の機能性に適合する各種の重要な遺伝子回路要素を作製した。そしてそれを用い、シロイヌナズナのプロトプラストおよびin vivoで認定関数(活性化)および否定関数(抑制)を利用するさまざまな演算論理ゲートを開発し、複雑な多細胞生物でのプログラム可能な転写活性操作に関するその有用性を実証した。具体的には、リコンビナーゼと植物の制御因子を用いることにより、導入遺伝子をYES、OR、およびANDゲートで活性化させ、NOT、NOR、およびNANDゲートで抑制した。また、活性化と抑制を組み合わせるA NIMPLY Bゲートも構築した。遺伝子組換えを利用することで、こうした回路は安定した長期的な発現変化および過去の刺激の記録をもたらした。この極めて小さくプログラム可能な遺伝子回路プラットフォームは、高度な転写プログラムおよび過去に実現されていなかった形質を植物に導入するための新たな能力をもたらす。

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