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ネットワーク伝播によってバリアントを単一細胞の分解能で機能にマッピングする

Nature Biotechnology 40, 11 doi: 10.1038/s41587-022-01341-y

ゲノム規模関連解析を単一細胞ゲノムアトラスと組み合わせることで、疾患の原因となる遺伝的変動が生じる仕組みに関する知見が得られる。しかし、疾患関連または形質関連の細胞の種類、状態、および発生経路の特定では、特に単一細胞エピゲノムデータの解析において、データの少なさやノイズが壁となることが少なくない。こうした課題を克服するものとして本論文で紹介するSCAVENGEは、ネットワーク伝搬を利用して、原因バリアントを単一細胞の分解能で関連の細胞環境にマッピングするコンピューターアルゴリズムである。我々は、SCAVENGEがヒトの遺伝的変動の背後にある重要な生物学的機構を発見する一助となることを示し、この方法を、ヒト造血の異なる段階の血液形質、重症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のリスクを増大させる単球サブセット、および急性白血病を導きやすい中間的リンパ球発生状態に用いた。我々の方法は、バリアント対機能の知見を単一細胞の分解能で得るための枠組みとなるだけでなく、単一細胞ゲノムデータの利用によって得られる推論を最大化する一般性の高い戦略も示唆する。

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