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選択的DNAメチローム解析に関する5つの市販プラットフォームの比較およびインピュテーションを利用した統合

Nature Biotechnology 40, 10 doi: 10.1038/s41587-022-01336-9

選択的バイサルファイト配列解読法(TBS)は、経済性に優れる塩基対分解能の選択的ヒトメチローム解析に適した方法となった。本研究では、ハイブリダイゼーションキャプチャー法に基づく3つ(アジレント社、ロシュ社、およびイルミナ社)ならびにreduced-representation法に基づく2つ(ダイアジェノード社およびニュージェン社)の計5つの市販TBSプラットフォームのベンチマーク評価を11点の試料で行った。試料のうち2点は、イルミナ社およびオックスフォード・ナノポア社のプラットフォームによる全ゲノムDNAメチル化配列解読とも比較した。評価は、ワークフローの複雑さ、オン/オフターゲット特性、カバー率、正確度、および再現性について行った。いずれのプラットフォームでも確実で再現性のあるデータが得られたが、カバーされるCpG部位の数と内容には大きな差異があり、異なるプラットフォームで得られたデータセットの比較は困難であった。この限界を克服するためにインピュテーションを用いると相互運用性が改善され、共通のCpG部位が平均10.35%(80万か所)から97%(760万か所)となることが示された。本研究は、多様なメチロームの特性にどのTBSプラットフォームを用いるかの指針になるとともに、インピュテーションを利用して比較・統合解析を可能とする調整策を示している。

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