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単一細胞トランスクリプトームからヒト腫瘍のコピー数およびクローンの下位構造を描写する

Nature Biotechnology 39, 5 doi: 10.1038/s41587-020-00795-2

単一細胞トランスクリプトーム解析はヒト腫瘍の研究に広く用いられている。しかし、腫瘍微小環境中の正常細胞タイプを悪性細胞から識別すること、およびその腫瘍内のクローンの下位構造を明らかにすることは、依然として容易でない。こうした課題に取り組むために、我々は、ハイスループット単一細胞RNA塩基配列解読(scRNA-seq)データの読み取り深度から5 Mbの平均ゲノム分解能でゲノムコピー数プロファイルを推定する統合的ベイズセグメンテーション法CopyKAT(copy number karyotyping of aneuploid tumors)を開発した。トリプルネガティブ乳がん、膵管腺がん、未分化甲状腺がん、浸潤性腺管がん、膠芽腫を含む21の腫瘍に由来する単一細胞4万6501個をCopyKATで解析したところ、正常細胞タイプからがん細胞が正確に(98%)識別された。乳がん3点では、CopyKATにより、KRASなどのがん遺伝子の発現、上皮間葉転換、DNA修復、アポトーシス、低酸素状態などのシグネチャーが異なるクローン亜集団が明らかになった。こうしたデータは、CopyKATが各種ヒト固形腫瘍のscRNA-seqデータ解析を支援可能であることを示す。

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