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メタゲノムから組み立てられたウイルスゲノムの質と完全性を評価するCheckV

Nature Biotechnology 39, 5 doi: 10.1038/s41587-020-00774-7

数百万の新規ウイルス塩基配列がメタゲノムから発見されているが、こうした塩基配列の質と完全性はばらつきが大きい。本論文では、閉じたウイルスゲノムを発見し、ゲノム断片の完全性を評価し、組み込まれたプロウイルスから隣接する宿主由来領域を除去する自動パイプラインCheckVを紹介する。CheckVによる完全性の推定は、一般公開されているメタゲノム、メタトランスクリプトーム、メタウイロームの系統的検索によって発見された7万6262個を含む完全なウイルスゲノムの大規模データベースと対象塩基配列を比較することによって行う。模擬データセットでの検証と既存の方法との比較の後、IMG/VRやGlobal Ocean Viromeなどの大規模で多様なメタゲノムアセンブルウイルス塩基配列のコレクションにCheckVを応用した。その結果、4万4652の高品質(完全性が90%超)ウイルスゲノムが発見されたが、塩基配列の大多数は小さな断片であり、ショートリードのメタゲノムからのウイルスゲノムの組み立てに関する課題が浮かび上がった。また、宿主由来の混入塩基配列を除去することにより、補助代謝遺伝子の正確な発見と、ウイルスがコードする機能の解釈が大きく改善されることも明らかになった。

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