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高忠実度の鏡像Pfu DNAポリメラーゼによるL-DNAの生体直交型情報ストレージ

Nature Biotechnology 39, 12 doi: 10.1038/s41587-021-00969-6

天然DNAは、遺伝情報を保存するよう見事に進化した。キラルに反転したL-DNAは、同等の情報容量を有しながらも生分解に強いため、確実な生体直交型情報リポジトリーとして利用できる可能性がある。今回我々は、キロ塩基サイズの鏡像遺伝子の正確なアセンブリーを可能とする90 kDaの高忠実度の鏡像Pfu DNAポリメラーゼを化学合成した。このポリメラーゼを用いて、ルイ・パスツールが生物学的鏡像世界を初めて提唱した1860年の文章をL-DNAにコード化した。キメラ型D-DNA/L-DNAの重要な分子をD-DNAストレージライブラリーに組み込むことで、読み取りのキラリティーに依存して偽のメッセージや秘密のメッセージを伝達するキラルステガノグラフィーを実現した。さらに、当地の池の水に保存された微量のL-DNAバーコードは1年後も増幅と塩基配列解読が可能であるのに対し、同一条件下のD-DNAバーコードは1日で増幅できなくなることを明らかにした。こうした次世代の鏡像分子ツールは、高度な鏡像生物学システムの開発を一変させ、鏡像セントラルドグマの実現とその応用法の探索に道を開く可能性がある。

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