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系統的に減弱させたCRISPRガイドRNAのライブラリーによる遺伝子発現の調節

Nature Biotechnology 38, 3 doi: 10.1038/s41587-019-0387-5

遺伝子発現を正確に制御するツールが存在しないことが、発現レベルと表現型の関係を評価する能力を制限している。本論文では、CRISPR干渉および活性を系統的に調節した一連のシングルガイドRNA(sgRNA)を用いてヒト遺伝子の発現を調節する方法を紹介する。我々は、複数の細胞モデルでの大規模な測定を利用して標的部位に対するミスマッチを含むsgRNAの活性を評価し、ディープラーニングを用いてミスマッチsgRNAの活性を支配する法則を導き出した。その法則により、細胞の確実な増殖に不可欠な約2400種類の遺伝子の発現を調整する小型のsgRNAライブラリーが得られ、ヒトゲノム全体にわたるin silico sgRNAライブラリーを構築することが可能となった。単一細胞RNA-seqの読み取り情報と組み合わせて連続する遺伝子発現レベルに沿った細胞のステージ分類を行うと、遺伝子特異的な発現閾値での細胞挙動の著しい変化が明らかになった。我々の研究は、遺伝子発現を制御する一般的なツールを提供するものであり、それには生化学的経路の調整から遺伝子発現の調節異常に伴う疾患の抑制因子の特定まで、さまざまな用途が考えられる。

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