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光学顕微鏡法用の迅速な画像デコンボリューションとマルチビュー融合

Nature Biotechnology 38, 11 doi: 10.1038/s41587-020-0560-x

光学顕微鏡で得られる画像のコントラストと分解能は、同一試料の複数の像のデコンボリューションとコンピューターによる融合によって改善することができるが、このような方法は大規模なデータセットでは計算コストが高くなる。本論文では、画像処理時間が従来の方法から10~数千分の1に短縮されたアルゴリズムとソフトウエアの設計に関する理論上および実用上の進歩について記す。第1に、「unmatched back projector」がデコンボリューションを従来のリチャードソン・ルーシーアルゴリズムの10倍以上に高速化することが示された。第2に、画像処理装置(GPU)による三次元画像に基づく位置合わせにより、処理速度がCPU処理の10~100倍に向上した。第3に、とりわけ空間的に変動する点広がり関数によるデコンボリューションでは、ディープラーニングによるさらなる高速化が可能であった。我々の方法は、単一細胞、胚、透明化組織などの多様な試料を用いて、細胞内レベルからミリメートルまでの空間的スケールで有効性が示された。また、デュアルビュー透明化組織光シート顕微鏡や反射型格子光シート顕微鏡など、最近開発された優れた空間分解能を持つ顕微鏡での性能向上が示された。

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