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RNAオフターゲット活性および自己編集活性が低いCRISPR DNA塩基エディター

Nature Biotechnology 37, 9 doi: 10.1038/s41587-019-0236-6

シトシン塩基エディター(CBE)およびアデニン塩基エディター(ABE)は、それぞれDNAに特定のC→T変換、A→G変換を導入することができる。しかし我々は最近、それがガイドRNAに依存しないRNA塩基編集をトランスクリプトーム規模で誘発する場合もあることを示し、望ましくないRNA編集活性の低いSECURE(selective curbing of unwanted RNA editing)-BE3バリアントを作製した。今回は、オフターゲットRNA編集活性が低くオンターゲットDNA編集活性が同等のSECURE-ABEバリアントを構造に基づいて作製したことを発表する。このバリアントは、既報の化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)Cas9塩基エディターの中で最小級のものでもある。また、APOBEC1以外のシチジンデアミナーゼによるCBEも検討し、ヒトAPOBEC3Aに基づくCBEが相当なRNA塩基編集を誘発するのに対し、改良型のAPOBEC3Aに基づくCBE、ヒト活性化誘導シチジンデアミナーゼに基づくCBE、およびウミヤツメ(Petromyzon marinus)のシチジンデアミナーゼに基づくCBEであるTarget-AIDの誘発するRNA編集が少ないことを見いだした。さらに、RNAオフターゲット編集活性を示すCBEおよびABEが自身の転写物の自己編集を行い、塩基エディターのコード配列に不均一性の生じる場合があることも明らかになった。

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