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超並列翻訳解析によるヒト5′ UTRの設計および多様体の影響の予測

Nature Biotechnology 37, 7 doi: 10.1038/s41587-019-0164-5

遺伝子発現に対するシス調節配列の影響を予測することができれば、基礎生物学および応用生物学における発見が促進されると考えられる。今回、28万のランダム化された5′非翻訳領域(UTR)のライブラリーのポリソームプロファイリングと、ディープラーニングとを組み合わせることで、ヒトの5′ UTR塩基配列と翻訳を関連付ける予測モデルを構築した。我々は、遺伝的アルゴリズムと合わせてこのモデルを用いて、特定のレベルのリボソームローディングを正確に誘導する新規5′ UTRを作製し、これによって最適なタンパク質発現のために塩基配列を調整することが可能となった。我々は、同じ手法が、化学修飾RNAにも拡張可能であることを示す。これは、mRNA治療薬や合成生物学への応用に重要な特性である。3万5212個の短縮型ヒト5′ UTRおよび自然に生じた3577個の多様体を検討した結果、このモデルによってこうした塩基配列のリボソームローディングが予測されることが示された。また、リボソームローディングを大きく変化させることで疾患の分子基盤となっている可能性のある、ヒト疾患に関連した一塩基多様体(SNV)45個の証拠が得られた。

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