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遺伝子共有ネットワークによって可能となる未培養原核生物ウイルスゲノムの分類学的割り付け

Nature Biotechnology 37, 6 doi: 10.1038/s41587-019-0100-8

あらゆる環境のマイクロバイオームには、アーキアや細菌に感染する未培養のウイルスが無数に含まれているが、そうしたウイルスの研究では、普遍的で拡張可能な分類学的枠組みが存在しないことが障害となっている。本論文では、ウイルスを分類するために全ゲノム遺伝子共有プロファイルを利用する、ネットワークベースのアプリケーションvConTACT v.2.0を紹介する。vConTACT v.2.0は、距離に基づく階層的クラスタリングと全ての分類学的予測の信頼スコアを組み合わせている。国際ウイルス分類委員会が米国立生物工学情報センターのウイルスRefSeqで行った既存の属レベルでのウイルスの分類学的割り付けは、ほぼ同等(96%)に再現された。参照ゲノムとしてウイルスRefSeqに登録されている未分類ウイルスにvConTACT v.2.0を用いると、1364種のうち820種が高い信頼度で自動的に属に割り付けられた。vConTACT v.2.0を用いて全球海洋ウイロームのゲノム断片1万5280個を解析したところ、これらのデータの31%が分類学的に割り付けられ、このアルゴリズムが極めて大規模なメタゲノムデータセットに拡張可能であることが示された。この分類ツールは自動化が可能で、あらゆる環境から得られたメタゲノムのウイルス分類に用いることができる。

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