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HLAクラスII抗原提示の統合ディープラーニングによる予測

Nature Biotechnology 37, 11 doi: 10.1038/s41587-019-0280-2

ヒト白血球抗原(HLA)クラスII分子による抗原提示の正確な予測は、ワクチン開発およびがん免疫療法に有用と考えられる。in vitro結合データで訓練する既存の計算法には、訓練データの不足およびアルゴリズムの制約による限界がある。本論文では、特定のHLAクラスIIアレルのもとで着目遺伝子からの抗原提示の可能性を予測するマルチモーダルな再帰型ニューラルネットワークMARIA(major histocompatibility complex analysis with recurrent integrated architecture;https://maria.stanford.edu/)を紹介する。MARIAは、in vitro結合の測定結果に加えて、質量分析法で明らかにされたペプチドHLAリガンドの配列、抗原遺伝子の発現レベル、およびプロテアーゼ切断の特徴によって訓練される。そうした多様な訓練データ、および我々の改善された機械学習の枠組みを利用するため、MARIAは検証データセットで既存の方法を上回る性能を示した(曲線下面積 = 0.89~0.92)。独立したがんネオアンチゲン研究において、MARIAスコアの高いペプチドは強いCD4+ T細胞反応を引き起こす傾向が強かった。MARIAは、さまざまながんおよび自己免疫疾患の免疫原性エピトープの発見を可能にする。

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