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イネ白葉枯病抵抗性の診断キット

Nature Biotechnology 37, 11 doi: 10.1038/s41587-019-0268-y

イネの白葉枯病抵抗性系統は、Xanthomonas oryzae pv. oryzaeXoo)による白葉枯病に対する最も効果的な解決策である。抵抗性のカギとなる機構には、罹病性因子としてSWEET遺伝子が関わっている。細菌の転写活性化因子様(TAL)エフェクターは、SWEET遺伝子プロモーターのエフェクター結合エレメント(EBE)に結合してSWEET遺伝子を誘導する。TALエフェクターによって認識されないEBE多様体は誘導を行わせず、それによって抵抗性が生じる。本論文では、圃場での白葉枯病の分析および適切な抵抗性株の発見を可能とする診断キットを紹介する。具体的には、SWEETプロモーターデータベース、SWEETの誘導を検知するためのRT–PCRプライマー、SWEETタンパク質の蓄積を可視化するための改変レポーターイネ系統、および細菌分離株の病原性機構を明らかにするためのノックアウトイネ系統がそれに含まれる。また、抵抗性でのEBE変異の有効性を評価するためにCRISPR–Cas9ゲノム編集を行った「キタアケ」イネ、特定の地域にとって最適な抵抗性遺伝子のセットを予測するためのソフトウエア、およびイネ白葉枯病に耐える可能性が最も高い系統を農家が植え付けられるようにするための2種類の抵抗性「メガ(広域栽培)」イネ系統も開発した。

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