Letter

クリックケミストリーによる増幅を用いて個々の核酸分子を検出するclampFISH

Nature Biotechnology 37, 1 doi: 10.1038/nbt.4286

細胞および組織内の単一の核酸を検出する蛍光in situハイブリダイゼーション法(FISH)などの方法には、シグナル強度が比較的低く、プローブと非特異的に結合するという難点がある。本論文では、高い特異性および高利得(400倍以上)のシグナル増幅を実現する核酸の蛍光検出法clampFISH(click-amplifying FISH)を紹介する。clampFISHプローブは、対象配列へ二重らせん式にハイブリダイゼーションしてC字型構造を形成する。プローブは生体直交型クリックケミストリーによって末端が互いに連結され、標的の周りに事実上固定される。ハイブリダーゼーションとクリックの反復で蛍光強度は増幅される。clampFISHによって、RNA種が低倍率顕微鏡法およびRNAに基づくフローサイトメトリーで検出されることが示された。さらに、clampFISHプローブのモジュール式の設計によってRNAおよびDNAの検出の多重化が可能になること、この固定機序によって膨張顕微鏡法でのプローブの分離が防げること、ならびにclampFISHが組織検体に適用可能であることも示された。

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