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生細胞および生物でのTurboIDによる効率的な近接標識法

Nature Biotechnology 36, 9 doi: 10.1038/nbt.4201

細胞内では、タンパク質相互作用ネットワークおよびタンパク質の区画化が、あらゆるシグナル伝達と調節過程の基礎となっている。酵素が触媒する近接標識(PL)法は、生細胞中のタンパク質の空間的特徴や相互作用特性を研究する新たな方法として登場した。しかし現在のPL法には、標識時間に18時間以上を要するものもあれば、用いる化学物質の細胞透過性が低かったり毒性が高かったりする。我々は、酵母ディスプレイに基づく定向進化を使って、TurboIDおよびminiTurboという2種類の広基質特異性ビオチンリガーゼ変異体を作製した。これらは、BioIDまたはBioID2をはるかに上回る効率でPLを触媒し、無毒で容易に送達可能なビオチンにより細胞においてPLを10分で完了できる。さらに、TurboIDは、ビオチンに基づくPLをハエおよび線虫にも拡張する。

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