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定量的miRNAプロファイリングのための低分子RNA塩基配列解読法の包括的多施設評価

Nature Biotechnology 36, 8 doi: 10.1038/nbt.4183

RNA塩基配列解読法(RNA-seq)は、分離細胞、組織、無細胞体液などの多様な種類の試料に含まれる低分子RNA(マイクロRNA、piRNA、snoRNAなど)の定量的プロファイリングでますます用いられるようになっている。現在用いられている低分子RNA-seqライブラリー作製法の正確度および再現性については、系統的な検証が行われていない。本論文では、9つの研究室からなるコンソーシアムにより、各研究室が個別に合成低分子RNAおよびヒト血漿由来RNAから作製した参照「グラウンドトゥルース」試料の塩基配列を解読して得られた結果を示す。我々は、既知の配列のアダプターを用いる市販のライブラリー作製法3種と、縮重塩基を持つアダプターを用いる方法6種を評価した。その結果、マイクロRNAにおいてアデノシンからイノシンへの編集を正確に評価する低分子RNA-seqの能力を低下させるバイアスなど、プロトコル特異的バイアスと配列特異的バイアスの両方が見いだされた。また、こうしたバイアスは、縮重塩基を持つアダプターを取り入れるライブラリー作製法によって軽減されることが明らかになった。低分子RNA-seqによる試料間のマイクロRNA相対定量は、全ての研究室および方法で正確であり、再現性があった。

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