Letter

マイクロインジェクションによる二細胞期マウス胚への選択的大型断片挿入の効率的実施

Nature Biotechnology 36, 7 doi: 10.1038/nbt.4166

大型断片が標的部位に挿入されたノックインマウスの迅速で効率的な作製は、依然としてマウス遺伝学の大きな障壁となっている。本論文で紹介する「二細胞相同組換え(2C-HR-)CRISPR」は、二細胞期の胚へCRISPR試薬を導入することによる高効率な遺伝子編集法であり、長いG2期のオープンクロマチン構造と、想定される相同組換え効率の向上を利用する。2C-HR-CRISPRを改変型ビオチン–ストレプトアビジン法と組み合わせて修復鋳型を標的部位に局在化させることにより、標準的な方法の10倍を超えるノックイン効率(最高95%)が実現された。我々は、胚盤胞で発現する20種類の内因性遺伝子を蛍光レポーターの標的とし、レポーターマウス系統を作製した。また、全3種類の分化系列が別々の色に標識された胚盤胞と共に、タンパク質機能を探るための2要素のオーキシン誘導性分解系を保持する胚も作製した。2C-HR-CRISPRは、内因性座位および明確な「セーフハーバー」部位での高効率な挿入を請け合うものであり、ランダムな遺伝子導入や標準的なゲノム編集法よりも優れていると考えられる。

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