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ヘッセ構造化照明顕微鏡法による迅速な長時間超解像イメージング

Nature Biotechnology 36, 5 doi: 10.1038/nbt.4115

超解像(SR)顕微鏡法の時間分解能を高めて最大撮像時間を延長するため、我々はヘッセ行列に基づく構造化照明顕微鏡法(Hessian-SIM)のためのデコンボリューションアルゴリズムを開発した。このアルゴリズムは、多次元の生物学的構造の連続性を予備知識として利用して画像の再構成を支援し、アーティファクトが最小化されたSR画像を得るものであり、光子線量が従来のSIMで使用される量の10%未満でありながら、現在使用されているアルゴリズムよりも信号強度が低い点で大幅に優れている。Hessian-SIMは、小胞体内の動く小胞またはループ構造の迅速な画像化を可能とするが、モーションアーティファクトがない一方で、時空間分解能は88 nmおよび188 Hzであった。その感度の高さから、ミリ秒以下の励起パルスに続く無光の回復時間によって蛍光タンパク質の光退色が抑制され、生細胞のアクチンフィラメントの1時間にわたるタイムラプスSR撮像が可能となった。最後に、ミトコンドリアのクリステの構造的動態、および小胞エキソサイトーシス中の拡張した融合孔といった、我々の知る限りでは過去に報告されたことのない構造を観察した。

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