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ゲノムの系統分類に基づく標準化された細菌の分類が系統樹を大幅に修正する

Nature Biotechnology 36, 10 doi: 10.1038/nbt.4229

分類学は生物学を束ねる原理の1つであり、理論上は生物間の進化的関係に基づいている。細菌の確かな分類は、大多数の細菌の純粋培養が実現されていないこと、またそれより影響は小さいが、歴史的に表現型が分類の指針として用いられてきたことにより妨げられていた。培養に依存しない塩基配列解読技術が十分に成熟してきたことで、現在はゲノムに基づく包括的分類が可能となっている。我々は、多系統集団を慎重に排除し、相対的な進化的分岐に基づいて分類学的階級を正規化する細菌分類法の基盤として、連結タンパク質の系統発生を用いた。この方法では、Genome Taxonomy Database(ゲノム分類データベース)を構成する9万4759組のゲノムの58%で従来の分類に変更が生じた。今回の結果には、プロテオバクテリア門の下位分類に由来する6つの主要な単系統群を含む99門の記述が含まれ、Candidate Phyla Radiationが単一の門に一元化された。この分類法によって、未培養細菌の分類は改善され、生態学的研究と進化的研究の確固たる基盤が提供されると考えられる。

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