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活性化ニューロンの画像化法および操作を目的とする光・カルシウム作動性転写因子

Nature Biotechnology 35, 9 doi: 10.1038/nbt.3909

活動はニューロンを再構成し、その分子的、構造的、電気的特性を変化させる。本論文では、そうしたニューロンの選択的な特性評価および操作を可能とする人工的な転写因子FLAREを紹介する。FLAREは、ユーザーが決めた時間枠で活動を経験したニューロンのサブセットのみで、蛍光タンパク質、オプシン、および遺伝子にコードされたその他のツールを発現させる。FLAREは、細胞質カルシウム濃度の上昇と外部からの青色光照射の同時発生を感知し、その両者が膜に固定されていた転写因子を核へ移動させることによって任意の導入遺伝子を発現させる。培養ラットニューロンで10分間の刺激を受けたFLAREは、明暗シグナル比が120、高低カルシウムシグナル比が10であった。オプシンの発現により、FLAREで標識されたニューロンの機能的操作が可能となった。成体マウスでは、FLAREによって皮質での光・運動活動依存的な転写も生じた。そのモジュール式の設計、分スケールの時間分解能、および最小限の暗状態の漏出のため、FLAREは、カルシウムによるシグナル伝達を行うニューロンなどの細胞の活動依存的過程の研究に有用と考えられる。

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