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栽培品種特異的な長距離染色体アセンブリを用いた六倍体コムギ遺伝子の迅速なクローニング

Nature Biotechnology 35, 8 doi: 10.1038/nbt.3877

コムギおよびトウモロコシなどの穀物は、ゲノムが大型で反復配列が多いため、個々の遺伝子のクローニングが困難である。さらに、同じ作物種でも品種によって遺伝子の配列順および塩基配列が大きく異なる場合が多い。穀物の遺伝子クローニングでは、目的とする品種から質の高い塩基配列情報を得ることが大きな障害である。本論文では、任意の作物系統の遺伝子クローニングを促進するため、「標的染色体に基づく長距離アセンブリによるクローニング(TACCA)」を紹介する。TACCAでは、染色体のフロー選別による無損失なゲノム複雑性緩和とChicago長距離連鎖を組み合わせ、複雑なゲノムのアセンブリを行う。我々はTACCAを応用し、コムギ系統CH Campala Lr22aで質の高い(N50が9.76 Mb)de novo染色体アセンブリをわずか4カ月で行った。このアセンブリを用い、分子マーカー情報およびエチルメタンスルホン酸(EMS)変異体を利用して、広域のLr22a赤さび病抵抗性遺伝子をクローニングし、Lr22aがシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)のRPM1タンパク質と相同的な細胞内免疫受容体をコードしていることを発見した。

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