Letter

哺乳類腸内で生きた炎症診断薬として長期間にわたって機能する改変細菌

Nature Biotechnology 35, 7 doi: 10.1038/nbt.3879

細菌は、哺乳類の腸内で診断薬または治療薬として機能するように改変可能であるが、それを実現するための技術は、変異に対する合成遺伝子回路の感受性、および腸内での長期定着中の予測不可能な機能のために、実用化されていない。本論文では、マウスの腸内で6カ月にわたって機能し続ける安定的な改変細菌株を紹介する。我々は、炎症時に産生されるテトラチオン酸塩を検出するマウス片利共生大腸菌株を作製した。糞便検査解析に用いる腸内曝露の記憶を保持するこの診断用改変株を用いると、感染誘発型の炎症マウスモデルおよび遺伝的な炎症マウスモデルの双方で、テトラチオン酸塩が6カ月にわたって検出された。改変株の合成遺伝子回路は長期間にわたって遺伝的に安定で、意図したとおりに機能した。この株のふるまいの耐久性から、生きた診断薬としての改変細菌の可能性が確認された。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度