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FRETセンサーが生細胞の膜電荷の定量測定を可能にする

Nature Biotechnology 35, 4 doi: 10.1038/nbt.3828

膜電荷は、タンパク質輸送およびシグナル伝達で重要な役割を担っている。しかし、細胞膜の有効静電ポテンシャルの定量は、依然として容易でない。我々は、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)によって生細胞の膜電荷の変化を捉える蛍光膜電荷センサー(MCS)を開発した。MCSは形質膜の内葉に永続的に結合し、静電ポテンシャルの変化に対して直線的、可逆的で迅速な応答を示す。このセンサーは、荷電脂質の取り込みおよび再分布、ならびに細胞質イオン濃度の変化など、静電ポテンシャルを変化させるさまざまな細胞処理をモニタリングできる。このセンサーをT細胞生物学に応用した我々は、これを使用することによって免疫シナプスの荷電膜ドメインを特定した。さらに、静電相互作用がT細胞受容体の自発的なリン酸化を防止してT細胞のシグナル伝達クラスターの形成に寄与することも分かった。

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