Perspective

上流オープンリーディングフレームを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドでmRNAの翻訳効率が上がる

Nature Biotechnology 34, 8 doi: 10.1038/nbt.3589

in vivoで治療用タンパク質のレベルを上げることは今なお困難である。アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)は、遺伝子発現の下方制御またはRNAスプライシングの修正に用いられることが多いが、特定タンパク質の産生量を直接増加させるためにアンチセンス技術が用いられることはこれまでなかった。今回我々は、上流オープンリーディングフレーム(upstream open reading frame;uORF)のmRNA配列に結合する一種の修飾ASOを用いて、下流の主ORF(primary ORF;pORF)から翻訳されるタンパク質の量を特異的に増加させた。ヒト細胞でもマウス細胞でも、4種類の遺伝子から発現するタンパク質の量は、ASO処理によって用量依存的に30~150%増加した。特に、ASOをマウスに全身投与すると、LRPPRCタンパク質が約80%増加した。ASOによるタンパク質発現量の増加は配列特異的であって翻訳レベルで生じ、ヘリカーゼ活性に依存していた。我々は、RNA修飾の種類およびASO中の修飾ヌクレオチドの位置がpORFの翻訳に影響することも見いだした。ASOは汎用性のある治療薬として有用である。

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