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単一がん細胞の薬物感受性を質量蓄積速度の変化から予測する

Nature Biotechnology 34, 11 doi: 10.1038/nbt.3697

がん治療薬に対する腫瘍細胞の反応を明らかにすることができる解析法があれば、個々の患者に適した投薬計画の選択に大いに役立つ可能性がある。しかし、現在の機能解析の有用性には限界があり、遺伝的な予測バイオマーカーはごく一部のがん治療にしか存在しない。我々は、懸垂マイクロ流路共振器で数時間かけて測定される単一細胞の質量蓄積速度(MAR)が、膠芽細胞腫およびB細胞急性リンパ性白血病細胞の薬物に対する感受性または抵抗性を正確に判定することを見いだした。MARにより、異なる腫瘍の間だけでなく、個々の腫瘍内および腫瘍由来細胞株内でも薬物感受性が多様であることが明らかにされた。MARの測定により、わずか25 μlの末梢血試料を用いて、細胞の生存、および続けて行われる特性解析との適合性を維持しながら、薬物反応を予測できた。MARの測定は、単一細胞の治療反応の直接測定、および不均質な腫瘍中の表現型抵抗性を有する細胞部分集団を明らかにするための有望な手法となる。

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