Computational Biology

単一細胞RNA塩基配列解読データの起源組織へのハイスループット空間マッピング

Nature Biotechnology 33, 5 doi: 10.1038/nbt.3209

多細胞生物の体内に存在する細胞の種類を明らかにするには、個々の細胞の遺伝子発現プロファイルを特定組織中の空間的位置と組み合わせる必要がある。現在の技術では、空間的に特定された細胞の全トランスクリプトーム塩基配列解読は可能であるが、複雑な組織の解析に求められる処理能力が欠如している。本論文では、単一細胞RNA塩基配列解読で分析された細胞の対象組織内部の空間的起源を特定するハイスループット法を紹介する。この方法は、特異性に重み付けした細胞の完全なmRNAプロファイルと、遺伝子発現地図由来の位置的な遺伝子発現プロファイルとの比較に基づいている。我々は、海洋環形動物イソツルヒゲゴカイ(Platynereis dumerilii)の脳内での細胞の正確な位置が、この方法によって81%の成功率で特定されることを明らかにした。この方法は、分解能が十分に高い参照遺伝子発現データベースが存在するすべての系に応用可能である。

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