Perspective

ABRF次世代塩基配列解読試験のRNA-seqによるトランスクリプトームプロファイリングの複数プラットフォーム評価

Nature Biotechnology 32, 9 doi: 10.1038/nbt.2972

ゲノム研究では、ハイスループットのRNA塩基配列解読(RNA-seq)によって発見の可能性が飛躍的に高まっているが、プラットフォーム、プロトコル、および性能がさまざまであるため網羅的な参照データが必要となっている。本論文では、RNA-seqに関するABRF(Association of Biomolecular Resource Facilities;生体分子リソース施設協会)の次世代塩基配列解読試験を紹介する。我々は、参照RNA標準を用いて15か所の実験施設で反復実験を実施した。試験には、5種類の塩基配列解読プラットフォーム(イルミナ社HiSeq、ライフテクノロジーズ社PGM/Proton、パシフィックバイオサイエンス社RS、およびロシュ社454)で4通りのプロトコル(poly-A選択法、rRNA除去法、サイズ選択法、および分解法)を用いた。その結果、リード数の多いプラットフォームの発現測定で高いプラットフォーム内一致(スピアマンの順位相関係数R > 0.86)およびプラットフォーム間一致(R > 0.83)が認められたが、スプライスジャンクションおよび変異の検出は全プラットフォーム間で効率およびコストがまちまちであった。完全RNAでは、rRNA除去法とポリ(A)濃縮法の遺伝子発現プロファイルが類似している。また、rRNA除去法では分解RNA試料が効果的に解析される。この試験は、RNA-seqのプラットフォーム間標準化、評価、および改善のための幅広い基盤を提供する。

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