Perspective

細菌が生成する低分子干渉RNAによる効率的で特異的な遺伝子ノックダウン

Nature Biotechnology 31, 4 doi: 10.1038/nbt.2537

合成低分子干渉RNA(siRNA)は真核細胞の遺伝子機能を調べるのに不可欠なツールであり、疾患に関与する遺伝子をノックダウンするために治療目的で利用されると考えられる。これまでに得られている合成siRNAの多くは、化学合成によるものである。本論文では、極めて強力なsiRNAを大腸菌に生産させる方法を示す。この方法は、植物RNAウイルスが有するsiRNA結合タンパク質p19の異所性発現を用いている。p19を大腸菌で発現させると、細菌性RNase IIIが生成する約21 ntのsiRNA様種が安定化する。それを哺乳類細胞に導入すると、p19を発現する細菌の中で生じたsiRNA、および標的遺伝子の200以上のヌクレオチドをコードするヘアピンRNAが、免疫原性および標的外作用を生じずに、再現性よく標的遺伝子の発現を約90%ノックダウンした。細菌が生成するsiRNAは、標的遺伝子に対する複数の配列を含むため、多形細胞またはウイルスの遺伝子の抑制に特に有用と考えられる。

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