Article

細菌ゲノムの自動的な仕上げのための複合的方法

Nature Biotechnology 30, 7 doi: 10.1038/nbt.2288

DNA配列解読技術の進歩により、ゲノムの多様性は大部分の特徴が明らかにされるようになった。しかし、第二世代技術によるリード長は短いため、構造上の大事象を正確に解明することは困難である。第三世代の配列解読技術は、それを上回る数千塩基というリードを生成する能力を有し、ゲノム組み立ての制約を克服する可能性がある。今回我々は、第二世代と第三世代のDNA配列解読技術で得られた配列データを組み合わせ、近年のハイチのコレラ大流行菌株の染色体2本のゲノムを、99.9%を超える精度で、ほぼ完全な2つのコンティグに組み立てた。臨床的に意味のある構造を伴う複雑な領域は完全に解明された。標準的なN16961コレラ参照株の実験データおよびシミュレーションデータに基づく別々の対照アセンブリーで得られた1 kb超のスキャフォールドは、実験データのものが14本、シミュレーションデータのものが8本となり、これによって短いリードのデータのみから組み立てたコンティグのエラーの一部が修正された。本研究は、次世代の迅速な微生物同定および全ゲノム組み立ての青写真をもたらす。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度