Perspective

アワ(Setaria italica)のゲノム配列からイネ科植物の進化とバイオ燃料の将来性に関する洞察が得られた

Nature Biotechnology 30, 6 doi: 10.1038/nbt.2195

イネ科に属するアワ(Setaria italica)は、乾燥地域の重要な食料・飼料用農作物であるとともに、C4バイオ燃料としての用途にも可能性があり、スイッチグラスやトウジンビエなど、ほかのバイオ燃料用イネ科植物のモデルシステムとなる。我々は9本の染色体に対応するゲノム概要配列(約423 Mb)を明らかにし、遺伝子38,801個のアノテーションを行った。アワ、イネ、およびソルガムの共直線性を明らかにすることにより、重要な染色体再編成事象が見いだされた。アワとイネとの分岐後にイネの7番および9番染色体、3番および10番染色体がそれぞれアワの2番染色体、9番染色体に融合したという2つの再編成事象はその例である。また、アワとソルガムとの分岐後には、イネの5番および12番染色体がアワの3番染色体に融合する再編成も生じている。C4光合成経路の再配列も明らかにされた。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度