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変異型MspAナノ細孔およびΦ29 DNAポリメラーゼを使用してDNAを1塩基の分解能で読む

Nature Biotechnology 30, 4 doi: 10.1038/nbt.2171

ナノ細孔技術は、DNAが細孔の狭窄部を通過するときのイオン電流の変化を検出して1本のDNA分子の配列を迅速かつ直接的に解読することを目指して開発が進められている。我々は、高感度の変異型タンパク質細孔であるMycobacterium smegmatis porin A (MspA)を、細孔を通るDNAの移動速度を制御するΦ29 DNAポリメラーゼ(DNAP)と組み合わせることで、既知のDNA配列に対応する電流の変化が解析されることを明らかにした。Φ29 DNAPがDNAを合成してモーターのように機能し、MspAを通る1本鎖の鋳型を引っ張るときに、分解能および再現性の高いイオン電流レベルが、約28 msの持続時間中央値および最大40 pAのイオン電流差で観察された。長さ42~53ヌクレオチドの読み取り可能領域を含む6種類のDNA配列を使用すると、既知のDNA配列に対応する電流の経過が記録された。このシステムでは、1塩基の分解能およびDNA移動の制御により、ナノ細孔配列解読法の長年にわたる2つの問題が克服されている。

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