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in vivoでの哺乳類エンハンサーの超並列機能分析

Nature Biotechnology 30, 3 doi: 10.1038/nbt.2136

哺乳類の調節エレメントの遺伝的変異が機能に及ぼす影響は、ほとんど解明されていない。本論文では、超並列レポーター分析法を用いて3種類の哺乳類エンハンサーを1塩基の分解能でin vivo分析した結果を示す。我々は、それぞれのエンハンサーに関して、野生型配列との差が2~3%である10万通りを超える変異ハプロタイプのライブラリーを合成した。それぞれのハプロタイプは、転写カセット内に埋め込まれた固有の配列タグと結びつけられている。それぞれのエンハンサーライブラリーをマウス肝臓内に導入し、転写されたタグの配列を確認することによって個々のハプロタイプの相対的活性をまとめて測定した。すべての可能な一塩基変化がエンハンサー活性に与える影響が、線形回帰分析によって高い再現性で評価された。多くの変異では機能への影響が限定的で、活性に対して1.2倍を超える影響を及ぼしたものは約22%、2倍を超える影響を及ぼしたものは約3%であった。影響の大きかった部位のうち数か所は、純化選択の証拠を示すか、さもなければ既知の肝関連転写因子の結合部位と共存しており、このことは実験による高分解能機能分析の有用性を示している。

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