Computational Biology

ヒトトランスクリプトームの大規模なRNA編集をRNA-Seqデータの網羅的
解析で解明する

Nature Biotechnology 30, 3 doi: 10.1038/nbt.2122

RNA編集は遺伝情報を再コード化する転写後の事象である。本論文では、ポリA+、ポリAおよび小分子RNA試料由来の配列解読リード約7億6700万個の解析に基づくある漢民族男性のRNAエディトームの網羅的プロファイルを紹介する。我々が開発したコンピューターによるパイプラインは、偽陽性を慎重に考慮しながら同一人物のゲノムおよび全トランスクリプトームデータからRNA編集事象をコールする。非コード遺伝子、ならびにタンパク質をコードする遺伝子のイントロン、非翻訳領域、およびコード配列に、RNA編集事象が22,688件発見された。変化の大半(約93%)はAをI(G)に転換するものであり、RNAに対するアデノシンデアミナーゼの作用(ADAR)に基づく既知の編集メカニズムと一致していた。ほかの種類のヌクレオチドの変化を示す証拠も発見されたが、確認される比率は低かった。マイクロRNA(miRNA)には編集部位が44か所発見され、RNA編集とmiRNAによる調節との間に関係がある可能性が示唆された。我々の方法は、さまざまな試料のエディトームのプロファイル解析および比較を行う大規模研究に有用である。

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