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PARPおよびタンキラーゼ阻害剤に関する
ファミリー規模の化学的プロファイル
解析および構造解析

Nature Biotechnology 30, 3 doi: 10.1038/nbt.2121

ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)ファミリータンパク質の阻害剤は、近年がん治療薬として臨床試験が行われているが、その多くは特異性が不明である。本研究では、研究試薬および臨床試験中の化合物を含む一連の低分子阻害剤185種類を対象として、タンキラーゼTNKS1およびTNKS2など、17種類のヒトPARPファミリータンパク質のうち13種類の触媒ドメインへの結合能力を評価した。TIQ-A、6(5H)-フェナントリジノン、オラパリブ、ABT-888、およびルカパリブを含め、きわめてよく知られている阻害剤の多くは、複数のPARPファミリータンパク質に結合した。このことは、その分子が特異性を持たず、広範囲にわたる阻害活性を持つことを示唆している。我々は、5種類のTNKS2リガンド複合体および4種類のPARP14リガンド複合体のX線結晶構造も明らかにした。今回の結果は、PARP阻害剤の多くが複数の標的に結合することを示したのみならず、新しい阻害剤の設計に関する洞察をも提供する。

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