Perspective

リボザイム型の絶縁要素は人工回路を遺伝的背景から保護する

Nature Biotechnology 30, 11 doi: 10.1038/nbt.2401

人工遺伝子プログラムは、センサーを統合して遺伝子発現の時間的制御を行う回路から構築される。転写回路は、プロモーターを使用して回路間でシグナルを運ぶことによって階層化される。言い換えると、1つの回路の出力プロモーターは次の回路の入力プロモーターとして働く。したがって、回路を接続するには、プロモーターを次の回路と物理的につなぐことが必要となる。我々は、入力プロモーターと回路との接続部分の配列が回路の入出力応答(伝達関数)に影響を及ぼす場合があることを明らかにした。そうした背景の影響を抑制(緩衝)する可能性のある配列(「絶縁要素」と命名)のライブラリーを大腸菌でスクリーニングした。その結果、mRNAの5′非翻訳領域(5′-UTR)を切断するリボザイムが有効な絶縁要素であることが明らかにされた。この絶縁要素は、入力プロモーターの種類とは関係なく、量的に同一の伝達関数を生ずる。この絶縁要素を使用して人工遺伝子回路を接続すると、階層化された回路の挙動を数学的モデルで予測することができた。絶縁要素の導入は、回路を確実につなぎ替えてさまざまなプログラムを構築するうえできわめて重要と考えられる。

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