Perspective

哺乳動物細胞間の人工的な双方向情報伝達

Nature Biotechnology 30, 10 doi: 10.1038/nbt.2351

全哺乳動物細胞が代謝情報を受け取り、処理して伝達し、さらには人工的な多チャネルネットワークを介して互いに情報伝達することを可能とするような合成生物学を応用した制御装置の設計は、多細胞生物の構成および将来の臨床介入に関する新しい洞察をもたらすと考えられる。本論文では、細胞間の代謝シグナルに反応して個々の哺乳動物細胞の挙動を調整する情報伝達ネットワークを紹介する。我々は、多段階情報処理カスケード、フィードフォワードシグナル伝達ループ、および双方向情報伝達など、天然の細胞間情報伝達ネットワークに類似した方法で相互作用する送信細胞、処理細胞、および受信細胞を作製した。脊椎動物の四肢および血管系の発達に関する天然の制御系を模倣した人工的な双方向情報伝達装置を利用することにより、血管内皮細胞層の一時的な透過性がプログラムされた。今回の人工的な多細胞情報伝達系は、将来の治療法または組織工学戦略を刺激すると考えられる。

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